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高校生のみなさんへ
  • 基礎編には、おもに高校化学Ⅰの内容と気体および溶液の資料があります。まずは、物質量(モル)と気体を学習してください。R(気体定数)やT(絶対温度)を 理解してください。
  • 発展編には、平衡 ・ 熱力学 ・ 自由エネルギー・エントロピーの資料があります。みんな繋がるんです。K(平衡定数 )を理解しましょう。
  • 応用編には、環境問題の資料があります。基礎・発展を理解すれば、環境問題の本質を理解できます。
  • リンク 未来への化学 高校生の化学

基礎編

リンク 環境問題を考える

シュテファン・ボルツマンの法則.

【問題】

日本の年間一次エネルギー消費を、約2.277×1019 Jとして、これを日本の平地面積 約1.14×1011m2 で消費しているものとして考え、さらに都市部は平地の約5倍消費しているものとして、都市部での地表温度を算出しなさい。

ただし、太陽放射に直交する面に投影された、地球表面が受け取る太陽放射の平均量は、0.49(cal/cm
2分)とし、また、平均地表温度は、15℃とする。
                       

  ans 約5.6度の上昇
  都市部の温度上昇の問解

気体
圧力と密度
ボイル&シャルル
ボイルシャルル

気体の状態方程式その1
気体の状態方程式その2
気体の状態方程式の問題
気体の状態方程式の解
ファンデルワールスの状態方程式
理想気体と実在気体
気体問題
混合気体
混合気体の問題
混合気体解答
圧力&気体の考察

浮力を考慮した物質の質量
氷山の一角 圧力

実験資料_気体001
実験資料_気体002
実験資料_気体003

気体の実験室的製法
ハロゲンの性質

化学基礎
物質と原子・原子量
組成式の問題
組成式の問題の解
化学基礎問題
化学基礎 モル&モル質量
モルの問題
モルの解
反応前後問題
結合力と沸点
元素と原子
原子量と分子量
イオンと電子配置
イオン結合と組成式
共有結合と構造式
構造式 電子式
分子の形 極性 水素結合
配位結合と極限構造式
1電子&3電子結合
組成式と化学反応式
係数と化学反応式その1
係数と化学反応式その2
化学結合の種類と性質
物質の三態
クラペイロンの式.
1気圧での状態変化
氷晶と昇華(過去問題)
大学(理系)の試験問題って どんなの?…解けますよ!

熱力学からみた水の状態変化
0℃での減圧
0℃でのさらなる減圧
熱力学から見た1atmでの状態変化


蒸発平衡
エントロピー・エンタルピー
イオン化E・電子親和力・電気陰性度
イオン化エネルギー

電子のもつエネルギー
イオン化エネルギーの考察

水溶液
濃度
溶液
溶解のしくみ
溶解度1
溶解度2
溶解度3
溶解度4
溶解度5


平衡で考察する気体の溶解度

気体の溶解度・ヘンリーの法則

二酸化炭素も気温が高くなると川や湖、そして海から逃げ出します。

二酸化炭素の増加は自然現象


実験溶解1
実験溶解2
実験溶解3
実験溶解4
実験溶解5


溶解
可溶化 結晶成長
溶解速度
溶解エントロピー

溶解の熱力学的考察

基礎資料
レポートの書き方
化学史
化学史&Snの電子配置 問解
化学史問題
化学史解答
歴史に見る化学の探究1
歴史に見る化学の探究2
歴史に見る化学の探究3

電子配置 電子軌道
混成軌道001
混成軌道002
混成軌道003
混成軌道004
元素
原子001
原子002
原子003
原子の構造001
原子の構造002
原子の構造003

実験の心得001
実験の心得002

実験1&2
実験1資料・スズ
実験1資料・硫化スズ
実験1資料 硫黄
実験2資料 
不定比化合物・炭酸水素ナトリウム


炭酸ナトリウム・炭酸水素ナトリウム1
炭酸ナトリウム・炭酸水素ナトリウム2
炭酸ナトリウム・炭酸水素ナトリウム3
炭酸ナトリウム・炭酸水素ナトリウム4

実験3資料
実験4の注意事項
青銅資料001
青銅資料002
青銅資料003


酸・塩基
ルイス酸・塩基
酸・塩基の強さ
酸性(塩基)酸化物・中和反応01
酸性(塩基)酸化物・中和反応02
グラム当量数 過不足なく中和
中和の量的関係01
中和の量的関係02
pH
水溶液のpH
塩の加水分解
加水分解
炭酸ナトリウムの2段階中和1
炭酸ナトリウムの2段階中和2
中和実験問題
中和 滴定
緩衝溶液
問題解答
酸塩基問題1
酸塩基問題2
電離定数問題1
電離定数問題2
緩衝溶液のpH問題1
緩衝溶液のpH問題2
酢酸ナトリウムのpH
解離&加水分解定数
塩化アンモニウムのpH
水溶液のpH
問題
pHまとめ01
pHまとめ02
pHまとめ03
緩衝溶液の調整法
水のイオン積01
水のイオン積02
滴定曲線

実験資料_中和滴定01
実験資料_中和滴定02

指示薬.
相律
配位子-1
配位子-2
金属イオン.
金属イオンの検出と分離
金属イオンの系統分析
陽イオンの分離の注意事項
問題金属イオン1
問題金属イオン2
酸化還元
酸化剤還元剤
半反応式
酸化還元反応式の組み立て方
溶解度積1
溶解度積2
溶解度積解説1
溶解度積解説2
水和
溶解_イオン対01
溶解_イオン対02


銅 溶解度積
銅&テトラアンミン銅イオン
アルミニウム・アルミン酸イオン1
アルミニウム・アルミン酸イオン2
カルシウム・炭酸カルシウム
亜鉛


アルミニウム問題
アルミニウム問題解答


不思議な数字
指数・対数1
指数・対数2
aのx乗の微分の証明
底の交換公式の証明
自然対数
オイラー&ネイピア

シュテファン‐ボルツマンの法則

黒体が出す熱放射エネルギーの総量は、その絶対温度をTとするとT4に比例するという法則。1879年にシュテファンが実験的に発見し、1884年にボルツマンが熱力学を用いて理論的に証明したので、この2人の名でよばれる。 黒体の単位面積から単位時間に放射される電磁波のエネルギーを、すべての波長について総計したものをSとすると、

     S=σTと書ける。

この比例定数σ(シグマ)をシュテファン‐ボルツマン定数という

σ(シグマ)=5.67032×10-8 (W・m-2・K-4) で表される。

ボルツマンが証明したのは『SがT4に比例する』まで

であったが、このころから熱放射の研究が盛んになり、量子論誕生の動機となった。
その結果、σの値は、黒体放射と空洞放射とが等しいことを用い、空洞放射に対するプランクの放射公式を使えば

σ=2πk/15cで与えられることがわかった。

ここでkはボルツマン定数、cは光速、hはプランクの定数である。


黒体 black body

物体の表面は、そこに当たった電磁波(放射ともいう)の一部を反射し残りを吸収するとともに、自らも電磁波を出す。振動数ν(ニュー)の入射電磁波のうち吸収されるものの割合をανとすると、この吸収能ανはνと温度Tの関数である。すべてのνに対して吸収能が1であるような理想的物体を黒体(または完全黒体)という。

常温で真っ黒に見える物(たとえば煤を塗った表面)は黒体に近い。
物体が温度に応じて自ら出す放射を熱放射といい、その振動数分布は温度によって異なる。外から当たる放射と出す放射が等量のとき、物体と周囲の放射とは平衡状態にあるといわれる。

同じ放射を受けて平衡にある物体を比較すれば、いちばん多く吸収する黒体が、出している放射もいちばん多いことがわかる。黒塗りの自動車は、昼間は日光を多く吸収するが、夜になると他の色の車よりも放射をたくさん出すので、冬の夜などいちばん先に冷えて霜がつく。

完全な黒体はつくれないが、十分厚い壁で囲まれた空洞に小さな穴をあけ、それを外から見た場合には、穴の部分は煤をつけたと同様に黒く見える。そこに外から入射した電磁波は反射を受けずに全部内部へ入っていってしまうから、外から見る限り黒体表面と同じになる。

内壁の絶対温度をTとすると、壁から出た熱放射が空洞内に充満している。これを温度Tの空洞放射という。それを乱すことがないほど小さい穴を壁にあければ、外へはその空洞放射がそのままの割合で出ていくことになる。穴を外から見ると黒体放射と同じであるから、黒体放射というのは空洞放射と同じであることがわかる。

黒体放射(=空洞放射)は、熱放射の基準として詳しく研究され、プランクの放射公式から量子論発見の糸口となった。太陽の表面は絶対温度6000Kの黒体放射に近い放射を出している。


シュテファン

Josef Stefan(1835―93)オーストリアの物理学者。ウィーン大学に学ぶ。その名はシュテファン‐ボルツマンの放射法則で知られている。1879年、チンダルの電熱白金線による実験をはじめその他の実験結果から、放射エネルギーは絶対温度の四乗に比例すること(四乗則)を洞察し主張した。なおフランスの物理学者プーイェClaude Servais Mathias Pouillet(1790―1868)およびビオレJules Louis Gabriel Violle(1841―1923)の測定に基づき、放射法則から太陽の表面温度を6000Kと算出した。この四乗則については84年にボルツマンが理論的に裏付けた。

シュテファンはまた気体の熱伝導、拡散、相移行、流体力学的現象、電磁気現象に関する優れた業績を残した。63年ウィーン大学教授となり、以後、学部長、総長を務めるかたわら、科学アカデミーの幹事と副会長、国際電気博覧会科学委員会(1883)と国際音響会議(1885)の議長を歴任、幅広く活躍した。(日本大百科)

オーストリアの物理学者。1863年ウィーン大学教授。高温度における物体の放射に関するティンダルの測定(1865)などから全放射エネルギーは絶対温度の4乗に比例するという法則を提案したが(1879),黒体条件には思い及ばなかったので,引き続く検証実験は混乱した。シュテファンには気体の熱伝導・拡散,表面張力などに関する研究もある。
                         (理化学事典)


ボルツマン Ludwig Boltzmann (1844―1906)

オーストリアの物理学者。とくに気体論の研究で知られ、統計力学の基礎を築いた一人として著名である。
帝室財務書記官の子としてウィーンに生まれ、少年期をウェルス・リンツで過ごし、ウィーン大学で物理学を修め、シュテファンらに接した。1866年に同大学を卒業後、シュテファンのもとで助手となり、67年に学位を取得、翌年グラーツ大学教授となった。
その後、一時期をハイデルベルクのブンゼンとケーニヒスベルガーのもとで、またベルリンのキルヒホッフとヘルムホルツのもとで客員として過ごしたが、73年ウィーン大学を皮切りに、グラーツ、ウィーン、ミュンヘン、ライプツィヒの各大学の教授を歴任、最後はウィーン大学に落ち着き、没年までその職にあった。
その学識は該博で、グラーツでは初め数理物理学を、のちに実験物理学の講座を担当、ミュンヘンでは理論物理学を、ウィーンでは物理学のほか哲学の講義をも行った。

その講義は「水晶のように明晰(めいせき)であった」と評されている。
彼の研究はきわめて広範囲にわたっているが、その主題は理論物理学、とくに古典力学と原子論的観点からの熱理論の展開と推進であった。マクスウェルが開拓した気体分子運動論を発展させ、熱平衡状態でマクスウェル分布が実現することの厳密な力学的証明を与えることに努力し、分布関数の時間的変化を与えるボルツマン方程式をたてた。

これによっていわゆるマクスウェル‐ボルツマン分布の基礎づけが確立したが、さらにこれを手掛りに熱現象の不可逆性の力学的証明を追究し、ついにH定理を示して不可逆性を証明した(1872)。
そしてこれに関連して可逆性の反論(ロシュミット)や再帰性の反論(ツェルメロ)など厳しい困難が指摘されると、それに答えるべくH定理の物理的意味を考究し、やがてエントロピーの増大は単なる力学的法則ではなく確率的な法則であるという解釈に達し、その確率的な意味を明らかにするとともに、エントロピーを状態確率の関数として定義づけた(1877)。

有名なS=klogW(Sはエントロピー、Wは状態確率、kはボルツマン定数)の式である。
この式の根底には、系の微視的状態がすべて等しい先験的確率をもつという仮定がある。
そしてこれは、その背景としていわゆるエルゴード仮説(任意の位相軌道はエネルギー一定の面上、すべての点を通過するという仮説)と密接に関連している。71年にボルツマンが導入したこの仮説は、統計力学の成立への重要な貢献となった。そしてこれらの結果を粘性、拡散などの具体的問題に適用する面でも精力的に研究活動を行った。

他の分野でも、マクスウェル電磁気学の検討、誘電率と透磁率の測定による伝播(でんぱ)速度のチェック、弾性余効の研究などがあり、とりわけ放射エネルギーの温度依存性(四乗に比例)の理論的導出(シュテファン‐ボルツマンの法則)は重要である。
これはやがて熱輻射(ねつふくしや)論の展開のうえで大きな役割を果たすものとなった。方法論的には原子論の立場を推進、擁護したことでも有名で、当時きわめて盛んであったエネルゲティークの人々――その代表者にはマッハ、オストワルト、デュエム、ヘルムらの人々が数えられるが――と論争した。エネルゲティークは、実証主義哲学を背景に現象論的記述をもって自然科学の課題とみなし、そのためにはエネルギーを普遍概念として用いるべきであると主張し、「仮想的」である原子、したがってそれに基礎を置く気体運動論をも激しく論難したものであった。

95年のリューベック会議での論争などは著名である。ボルツマンは原子論の立場を徹底して擁護し「最後の原子論者」などとよばれたという。この論争を通じてボルツマンが述べた「エネルギーにも原子がありうる」ということばは、後のエネルギー量子化を暗示した先見性であったとする評者もある。

晩年神経症を患い、ライプツィヒ時代にも一度未遂に終わったが、結局1906年避暑地ドウィノで自ら生命を絶った。自殺の原因は明らかではないが、原子論論争と無関係ではなかったようである。そして彼の死の直後に、ブラウン運動により、原子の存在の実験的確証が与えられたのも歴史の一つの皮肉であろう。 


有機編は、下記のミラーサイトで見て下さい。


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